名称 | 学名:Smallanthus
sonchifolius (Polymnia sonchifoliaあるいはP.edulisと呼ばれたこともあった) 英語名:Yacon スペイン語名:Yacon 和名:ヤーコン |
原産地 | 南アメリカ大陸アンデス高地 |
日本への導入の歴史 |
|
分類等 | キク科スマランサス属、染色体数2n=58(一部に2n=87のものも存在する) |
植物学的記載 | 植物体 ヤーコンは多年生の草本で,高さは1〜2.5メートルになる。種子や挿し芽苗から育てると最初は1本の茎からなり,分枝が生じる。塊茎から育てた場合には,数本の茎立ちが生じる。茎は円筒状で毛があり,骨ばっていて緑色ないしは黄色を呈する。 塊根 塊根はサツマイモの塊根とよく似た大きさと形状を示す。品種,栽培条件により変動するが、1個の塊根は50〜1,000gの範囲にあり,大部分は300〜600gの範囲に入る。1株に着く塊根の重さは2〜5s,多いときは6sである。 塊茎 地下にあって根に接している茎の部分が肥大して、多くの栄養芽を着けた塊茎が形成され、栄養繁殖器官(種いも)として利用される。 葉 葉は節ごとに対生し,交互に直角を成している。葉身は三角形、矢尻形,ないしはハート形で、長さは40pから50pに達するものもある。開花までにそれぞれの茎は20〜23対の葉を分化し,開花後は小さな葉だけが分化する。 花序 花枝は最後の分枝であり,頭状花と呼ばれる花序が着く。原産地のペルーではそれぞれの花枝には20〜40の頭状花が着生し,1個体では20〜800の頭状花が着くが、日本では開花が晩秋となるため、花数は少ない。個々の頭状花は雌花と雄花によって構成されている。雌花は外側に輪生し,黄色の舌状花である。雄花は筒状でより小さく,花托の内側に輪生している。総苞は釣鐘型の半球形で,総苞の苞葉(5〜6)は花托を1層で取り囲んでいる。それぞれの頭状花には,14〜16の雌花と80〜90の雄花が着き、雌花は雄花より早く開き,早くしぼむ。 雌花 雌花の花冠は5枚の花弁からなる合弁花冠で、このうち3枚の花弁が舌状花を形成し,他の2枚の花弁は退化している。雌しべ(花柱)を取り囲んで,その基部の子房の上に冠毛が付着している。舌状花は11〜14mmで、その形はヤーコンの生殖質を判別する形質として用いられる。花柱の上部は2つに分かれて柱頭となっている。子房は紡錘形ないしは円錐形で,紫色を呈する。 雄花 雄花は周辺から始まって内側へと開花する。花冠は融合した5枚の花弁からなる合弁花で,5角形の筒を形成し,外面には密な毛がある。5本の雄しべがあり、開葯に際しては花冠から黄色の花糸が抽出する。花粉粒は球形でとげがあり,つやのある黄色で,粘着力があり,直径は20〜30ミクロンである。 果実(種子) 果実は痩果で,複数の心皮を持つ子房から発生する。痩果は丸みがかったピラミッド型で、平均すると長さは3.7ミリ,幅は2ミリ程度,100粒重は0.6〜1.2gである。種子は無胚乳で,すべての貯蔵物質は子葉に存在する。日本の自然条件では,果実(種子)はほとんど得られない。 |
ヤーコンの特徴 | 1. 作物として(「栽培方法」の項参照) ヤーコンは南米アンデス地帯の原産で、先住民によって紀元前から利用されてきた。適応性が広く、粗放な栽培にも耐えて、作りやすい作物である。1株から3〜6sの塊根(いも)が収穫できるので、家庭菜園で数株植えつければ、自家消費をまかなうことができる。収穫物としては、塊根(いも)と葉が利用される。1984年に日本に導入され,健康野菜としてのさまざまな機能をもつことがが解明された。 2. 利用部位とその特徴(「利用方法」および「健康への効果」の項参照) (1) 塊根(いも)
(2)葉
|
日本における栽培概況 | 北は北海道から南は沖縄まで幅広く栽培されている。 正確な栽培面積については,調べられていない。 |